外来案内
Outpatient Information
Outpatient Information
2008年に「さっぽろ厚別通整形外科」を開院した当初より、診療受付時間は18時半までとしております。
これは、共働き世代のお子さんが学校などで怪我をされて、親御さんがご帰宅後、お子さんを病院に連れて来られるギリギリの時間を考慮して設定しました。
結果、日中なかなか受診することが出来ない働き盛り世代の方にもご好評を得ております。
この18時半までの診療受付時間は、「さっぽろ下手稲通整形外科(2012年開院)」、「さっぽろ西野二股整形外科(2017年開院)」にも引き継がれて現在に至ります。
そしてこの度豊平に開院しました「りしん会整形外科病院」にもその考えと決意は引き継がれていくことになります。
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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9:00~12:00 (受付8:30~) |
井本 出張医 |
松村 出張医 |
桐田 野口 |
桐田 出張医 |
霜村 松村 |
交代制 |
14:00~18:30 (受付13:30) |
井本 霜村 |
松村 | 桐田 野口 寺本教授※ 足専門外来 |
桐田 松村※ 16:30~スポ外 |
霜村 | ― |
手術 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ― |
※ スポーツ外来:木曜日16:30~18:30(松村医師)
スポーツ外来受診希望の方は、短パンもしくはジャージをご持参ください。
※ 足専門外来(完全予約制)
第2・4水曜日 14:00~16:00
(札幌医科大学 整形外科学講座 教授 寺本篤史先生)
※ 土曜日外来は交代制となります。また、出張医に変更となる場合がございますので、事前にご確認下さい。
※ 日曜日、祝日、土曜日の午後は休診となります。
対象疾患一覧
骨折・骨端線損傷には、四肢骨折・小児の骨折(骨端線損傷)・脊椎椎体骨折(圧迫骨折)があります。一口に骨折といっても、それに至る状況や経緯は様々であるため、症状によって診断方法、治療方法も異なります。
症状について
骨とその周囲は神経と血管が豊富であるため、骨折するとその部位に痛みと腫脹が出現します。また、骨折は大きな外力(外傷)が加わらなくても、骨全体が弱っていたり、骨の一部が溶けていたりすると、弱い力でも骨折したり(病的骨折)、健康な骨で
あっても長期間に渡って同じ場所に繰り返し負荷がかかり続けると骨折(疲労骨折)することがあります。
診断について
症状を確認し、レントゲン写真を撮ります。レントゲン写真で骨折がはっきりしない場合(肋骨骨折など)や、関節内に及ぶ骨折の場合は、CT検査を行います。
治療について
骨には、骨折しても自然に治癒する能力が備わっています。一般に、骨折部のズレが小さく、骨折部の動きが少なければ、ギプスやシーネ固定などの保存治療を行います。逆に、ずれの大きい、ぐらぐらの骨折や関節内に及ぶ骨折の場合は、手術によって元の位置に骨折部を戻し、プレートやボルトなどを用いて、固定する治療を行います。保存治療、手術ともに、骨折が治っても、その周囲の関節や筋肉が固まってしまっていると日常生活が不便になります。必要期間以上の安静は逆に症状を悪化させるため、早期からリハビリを行い、積極的に動かして行くことも重要です。
症状について
転倒などの外傷後、子どもから痛みの訴えがあったときは、骨折を疑います。特に乳幼児では、腫れが目立たない場合や、骨折していない部位の痛みを訴えることもあるため注意が必要です。骨折の原因は、転倒や転落によるものがほとんどで、肘の周囲や前腕など上肢の骨折が約半数を占め、次に多いのが鎖骨や下腿の骨折です。成長過程の骨には弾力があり、骨幹部では若木骨折、関節周囲では骨端骨折(骨端軟骨の離開)など小児特有の骨折があります。
診断について
疼痛部位を確認したのち、レントゲン撮影を行います。受傷直後にはレントゲンで骨折を確認できない場合があります。骨端軟骨や関節内の骨折では診断が難しいため、骨折が疑われる側だけでなく健側も撮影し、患側と比較します。それでも骨折がはっきりしない場合は、ギプスなどで固定して定期的なレントゲン撮影を行い、最終診断に至ることがあります。
治療について
保存療法と手術があり、レントゲン所見を参考にして治療法を選択します。小児の骨折は骨が癒合しやすく自家矯正が期待できるので、通常はシーネやギプスなどで固定する保存療法が選択されます。一方で、関節周囲の骨折や大きく転位した不安定な骨折では、手術を選択することがあります。
症状について
脊椎椎体骨折(圧迫骨折)は、比較的弱い外力によって生じる骨粗鬆症椎体骨折、転移性骨腫瘍による病的椎体骨折、強い外力により生じる外傷性椎体骨折などがあります。骨粗鬆症に起因して骨が弱くなっているとき生じるものでは、胸腰椎移行部に生じることが多いです。いくつもの場所に多発的に椎体骨折が生じると背中が丸くなり(円背)、身長が低くなります。強い外力により生じた場合は、脊髄損傷が生じる場合もあります。
診断について
レントゲン検査によって確定診断をします。新規骨折の診断、椎体骨折部の粉砕、脊髄損傷のある場合は、CTやMRI検査が必要です。骨粗鬆症が疑われるものは骨密度、骨代謝マーカーも併せて測定します。転移性骨腫瘍が疑われる場合は、MRI検査や骨シンチグラフィー、血液検査(腫瘍マーカー)などの追加検査が必要になります。
治療について
骨折原因や骨折部位・形態に応じてコルセットを作成し、早期の離床を目的に、リハビリで体幹・歩行訓練をするのが基本です。
複雑な圧迫骨折であったり、骨折部の不安定性が強かったり、骨片で神経が圧迫を受けて麻痺を生じている場合、いつまでも疼痛が残る場合は、手術が必要になることがあります。
腱断裂にはアキレス腱断裂や手指腱断裂などがあります。外からの力で切れる場合と、急激な筋肉の収縮で切れる場合があります。時間が経つと治療が難しくなる場合があるため、早期発見が重要です。
症状について
腱損傷の症状は、刃物で切るなどの直接の外力で切れることもありますが、瞬間的で急激な筋収縮で切れることも多くあります。
診断について
多くは視診・触診などの理学所見で診断をつけることができますが、アキレス腱の不全断裂のような場合は、エコー検査やMRI検査などで診断をします。
治療について
刃物で切った直後の腱は、縫合することや保存療法を選択することが可能ですが、受傷後時間が経ったものは直接縫合することができず、腱移植術などが必要となるため、早期の受診が重要です。腱縫合後は創の治癒過程で縫い合わせた腱が周囲とくっついてしまわないように手術直後からリハビリを行う必要があります。アキレス腱断裂の場合は早期の荷重、可動域訓練のために、手術で強固に腱を縫合する手術を行います。
靭帯損傷には足関節や手指関節などがあります。足関節の靭帯損傷としては、足を捻った際などに起こる捻挫が代表的です。手指関節の靭帯損傷の代表例としては、転倒した際などに起こる突き指があります。
症状について
捻挫とは、関節にかかる外力により非生理的運動が生じ、関節を支持している靭帯や関節包が損傷してしまうことです。足関節捻挫のほとんどは、足関節を内側に捻ることで生じ、前距腓靱帯や踵腓靱帯が損傷されることが最も多い病態です。
診断について
まずレントゲン写真で骨折の有無を確認します。靱帯損傷がひどい場合は、ストレスレントゲン写真を撮影します。また、MRI検査を用いて、靭帯損傷の程度や軟骨損傷の有無を確認します。
治療について
軽めの捻挫では、応急処置の基本として、RICE処置を行います。 重度の捻挫では、2~3週間のシーネ固定や装具固定をすることがあります。痛みや腫脹が軽減したのちに可動域訓練、筋力トレーニングなどのリハビリ治療を行います。
症状について
手指関節の両側には、関節の側方への動揺性を制御している側副靭帯という組織があります。側副靭帯は、転倒などで側方への強い外力が加わったときに損傷します。受傷直後に適切な治療を行わないと、側方へ指が曲がる、力が入らない等、不安定性が残ってしまいます。
診断について
まずレントゲン写真で、骨折の有無を確認します。靱帯損傷がひどい場合には、ストレスレントゲン写真を撮影します。
治療について
不安定性が少ないときは、2~4週間のシーネ、ギプス固定で経過を観察し、その後、徐々にリハビリを開始します。X線写真で異常が確認されないときでも、一定期間の外固定が必要となります。受傷後早期の不安定性の強い靭帯損傷の場合は手術を行うこともあります。
脱臼には手指関節、肩、肘などがあります。脱臼とはスポーツなどで転倒・衝突をした際に関節がはずれて、骨頭の位置が関節外にずれた状態のことをいいます。
症状について
最も脱臼しやすいのは、肩です。スポーツ時に転倒し、腕を伸ばした状態で手をついたときによく起こります。肩以外では、あごや肘、指など、よく動く関節にみられます。外傷性脱臼の場合、関節周囲の靭帯・関節を損傷するため、激しい痛みと腫れが発生します。
診断について
痛みのある関節のレントゲン撮影を行い、状態を把握します。剥離骨折の診断には、CT検査も併用します。一方、関節内靭帯断裂の診断にはMRI検査を行います。
治療について
外見上は単純な脱臼に見えても、剥離骨折を伴っていることがよくあります。むやみに引っ張って元に戻すようなことはせず、早急に整形外科を受診するのが重要です。脱臼は早急に整復しないと重篤な後遺症が残ることがあります。まずは、早急に受診して、骨や関節のずれ方や脱臼に骨折が伴なっていないかX線写真で確認することが重要です。
脊椎疾患には、腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症・腰椎変性すべり症・骨粗鬆症性椎体骨折・頚椎椎間板ヘルニア・頚椎症性脊髄症・頚椎症性神経根症・頚椎後縦靭帯骨化症(OPLL)などがあります。
それぞれの症状や診断方法・治療方法をご紹介します。
症状について
背骨をつなぎ、クッションの役目を果たしている腰椎の椎間板が飛び出して神経を圧迫することで生じる疾患で、腰殿部痛や下肢痛、下肢の痺れが生じます。下肢の筋力低下や膀胱直腸障害(排尿や排便の障害)が生じる場合があります。膝を伸ばしたまま下肢を挙上すると殿部から下肢に放散する痛みがでる(下肢伸展挙上テスト)ことが多いのが特徴です。
診断について
下肢伸展挙上テストや下肢の知覚異常、下肢の筋力低下の有無を調べ、MRIで確定診断を行います。
治療について
治療の原則として、保存治療をします。痛みが強い時期は、コルセットを装着し安静を心がけ、消炎鎮痛剤、神経障害性疼痛治療薬などの薬物療法、神経ブロックなどを行います。痛みが軽減してきたら、運動療法などのリハビリを開始します。保存治療を2~3ヶ月しても症状が改善せず、日常生活に支障をきたしている場合は、手術を検討します。また、重篤な下肢の運動麻痺や膀胱直腸障害がある場合は、早期に手術を検討します。当院では、内視鏡または顕微鏡を用いた身体への負担が少ない低侵襲手術を採用しています。
症状について
神経の通り道である脊柱管が加齢などによって狭くなることで生じる疾患です。下肢に痛みを生じる「坐骨神経痛」や、歩行時に下肢のしびれ、立位で痛みが出現し、前かがみや腰掛けると改善する「間欠跛行」が特徴的な症状です。症状が進行すると下肢の筋力低下や膀胱直腸障害(排尿や排便の障害)が生じます。
診断について
MRIで脊柱管狭窄の部位や程度を確認します。下肢の動脈がつまる閉塞性動脈硬化症でも間欠跛行が生じるため、下肢血流の評価(ABI検査)も合わせて行うことがあります。
治療について
保存治療が第一の選択肢です。過度な腰椎の伸展は避けるように指導し、杖などの使用を勧めます。神経への血流を良くする薬や消炎鎮痛剤、神経障害性疼痛治療薬などの薬物療法やコルセット治療、リハビリ、神経ブロックなどを行います。保存治療で改善がみられない場合や進行性の運動麻痺や膀胱直腸障害を伴っている場合は、手術を検討します。手術は、神経の通り道を広げる除圧術を原則とし、腰椎に不安定性を認める場合などは、脊椎固定術を行います。当院では、内視鏡や顕微鏡を用いた低侵襲手術で行なっております。
症状について
加齢変化で腰椎がずれること(すべり)によって生じる疾患です。腰部脊柱管狭窄症と同様の症状が出ます。腰痛を認めることもあれば、全く腰痛がないこともあります。
診断について
すべりの程度は、動態レントゲン検査で評価し、腰椎を前後に曲げた状態での撮影で、すべりの不安定性を測ります。また、MRIで脊柱管狭窄の有無を調べます。
治療について
治療は腰部脊柱管狭窄症と同様にまずは保存治療を行います。保存治療で改善がみられない場合や進行性の運動麻痺や膀胱直腸障害を伴っている場合は、手術を検討します。手術はすべりや不安定性の程度によって、神経の通り道を広げる除圧術のみを行うか、脊椎固定術を追加するかを選択します。
症状について
骨粗鬆症に起因して弱い外力で生じる背骨の骨折で胸椎と腰椎の移行部(胸腰椎移行部)に多く、圧迫骨折とも呼ばれます。胸腰椎移行部に強い痛みを生じますが、疼痛がほとんどなくレントゲン検査をすることで、後になってわかることもあります。受傷後すぐに神経症状を伴うことは通常ありません。時間が経って椎体の変形が進行したり、骨癒合が得られなかったりすると下肢の運動麻痺や膀胱直腸障害が出現することがあります。
診断について
レントゲン検査で骨折の有無を確認します。しかし、骨折部の変形がほとんど起こっていない症例では骨折を見逃すことがあります。症状から骨折が疑われたり、骨粗鬆症が多い高齢女性などではMRI検査で確定診断を行います。
治療について
コルセットによる外固定を行なって骨癒合を待ちます。通常骨癒合まで2~3ヶ月程度かかりますが、3〜4週程で痛みは軽減します。外固定を行なっても椎体の高度変形が起こったり、骨癒合が得られなかったりして神経症状が出現した場合は、脊椎固定術などの手術が必要となります。最近では、侵襲の大きな手術を避けたい高齢者に対して十分な保存治療(3~4週程度)を行なっても痛みが改善しない場合に、バルーン椎体形成術といった数ミリ程度の皮膚切開で可能な低侵襲手術を行うことも増えてきています。
症状について
加齢による頚椎症性変化で脊髄、神経根が圧迫されて生じる疾患です。
脊髄症:両方の手足のしびれ、手指の使いづらさ(手指巧緻運動障害)、四肢の筋力低下、歩行障害、膀胱直腸障害を生じることが多いのが特徴です。
神経根症:片側の首から肩甲骨、上肢にかけての痛み、しびれや上肢の筋力低下を生じます。
診断について
脊髄症・神経根症の症状があり、レントゲン検査で頚椎症性変化とMRIで脊髄、神経根の圧迫を認めることで診断します。
治療について
頚椎症性脊髄症は、手指のしびれだけでなく進行して手指巧緻運動障害や歩行障害などが認められたら手術が行われます。
頚椎症性神経根症は、基本的に自然治癒します。症状が強いときは、消炎鎮痛剤や神経障害性疼痛治療薬などの薬物療法、頚椎カラーによる装具治療、牽引治療や運動療法などのリハビリ、神経ブロックで症状を軽減させます。上肢の筋力低下が著しい場合や強い痛みで日常生活に支障をきたしている場合は、手術を検討します。
症状について
椎体の後ろ側にある後縦靭帯が厚くなって骨化し神経を圧迫することで生じる疾患です。両方の手足のしびれ、手指の使いづらさ(手指巧緻運動障害)、四肢の筋力低下、歩行障害、膀胱直腸障害といった脊髄症の症状があります。頚部痛や頚部のこり、頚部の動かしづらさが認められる場合が多く、骨化部位によっては、神経根症(片側上肢のしびれ、痛みや筋力低下)を生じます。
診断について
神経症状(脊髄症や神経根症)を認め、レントゲン検査で後縦靭帯の骨化が認められると診断が確定となります。レントゲン検査で診断が困難な時は、CTやMRIなどの検査が必要となります。CTは骨化の範囲や大きさを判断するのに有用で、 MRIは脊髄の圧迫の程度を評価するのに有用です。
治療について
症状の進行を予防するため日常生活では、頚部を過度に反らす姿勢を避けること、転倒や転落、頭部の打撲など頚部に衝撃が加わる外傷を避けることが重要です。脊髄症状で日常生活に支障があり、画像上で脊髄の圧迫が認められる場合は、手術が必要となります。手術には、前方から行う前方除圧固定術と、後方から行う椎弓形成術や後方除圧固定術があります。いずれの手術法を選択するかは、骨化している部分の厚さや範囲、頚椎の形態などを総合的に判断して決めることになります。
膝関節は、大腿骨(太ももの骨)、脛骨(脛のほね)、膝蓋骨(お皿)が主に組み合わさって出来ており、筋肉や靱帯と呼ばれる帯状の組織によって支えられています。骨の表面には関節軟骨と呼ばれる弾力性のある組織と、脛骨には半月板と呼ばれる組織があり、関節にかかる力を分散しています。人は、座ったり立ったり、歩いたりするときに意識することなく膝関節を使っていますが、膝関節は複雑な動きをするため、気がつかないうちに痛めてしまうことがあります。
痛みが生じる原因
症状や程度が軽い場合は、薬やリハビリで症状を緩和することができますが、変形が激しく痛みが治まらない場合
には、人工関節置換術による治療も検討されます。
膝関節のクッションであり、軟骨の保護を担っている半月板に損傷が生じる疾患です。10〜20代の若年者については膝を捻るなどの外傷によって発生します。 40代以降になると段差を降りるなどの軽微な出来事で損傷が起こることもあります。
症状について
膝の曲げ伸ばし、または膝の角度により痛みが生じます。損傷部位に圧痛が見られ、時に膝が腫れます。キャッチングと呼ばれる引っ掛かりを感じることもあります。階段昇降、特に下りの時に痛みが強いです。損傷が悪化すれば正座が不能になり歩行も困難になります。
診断について
症状とMRIにより診断を確定します。
治療について
保存治療として痛み止めの投薬、ヒアルロン酸の注射、リハビリ等を行います。膝が腫れている場合は、水がたまっていることが原因なので、水を抜くこともあります。保存治療で効果が出ない場合は、手術を検討します。手術は内視鏡を使用した切除術と縫合術がありますが、膝関節のクッションである半月板は、切除してしまうと再生することはないため、可能な限り縫合術による修復を選択します。しかし損傷が激しい場合、または年齢により半月板の変性が強い場合には、やむを得ず切除術を選択することもあります。
体重や加齢などの影響から膝の軟骨が擦り減り、膝の骨が変形してしまう疾患です。加齢、肥満、外傷(骨折や半月板損傷)などが原因になります。また、女性に多いことも特徴です。
症状について
歩くと強い痛みを感じます。特に動き始めに痛みが出ることが多く、可動域にも制限をきたします。悪化すると正座は不能になり歩行困難になります。また、膝が腫れてくることもよくありますが、これは膝に水がたまることが原因で、しつこく繰り返す場合があります。見た目には、O脚に変形することがほとんどです。
診断について
レントゲン、MRIを行い、骨、軟骨、半月板等の状態を総合的に評価して診断します。
治療について
保存治療としては痛み止めの投薬、関節注射(ヒアルロン酸)、リハビリがあります。水がたまっていれば水を抜きます。保存治療で効果がない場合は手術を検討します。手術には大きく分けて2つあります。
(1)骨切り術
脛の骨を切ってO脚をまっすぐに矯正する手術です。比較的若い年齢層の方、アクティビティの高い方などに行われます。
(2)人工関節置換術
変形した関節の表面を取り除き人工の関節に置き換える手術です。変形した骨を削って、金属をかぶせる処置を行います。様々な治療を行って、どうしても痛みがとれないときに、最終的に行われる治療方法です。
人工関節は、擦り減ってしまった膝関節の表面を適切に切除して、医療用の金属をかぶせることにより、関節を動かした際の痛みを取り除くものです。膝関節表面の傷んだ部分を切除して、代わりに人工関節を骨の上に設置することによって、膝の痛みがなくなる、O脚やX脚の変形の矯正が出来るなどのメリットがあります。
膝の中にある前十字靭帯が切れることで、膝の不安感(ぐらぐら感)、膝が抜けるなどの症状が出る外傷です。コンタクトスポーツ
(サッカー、バスケットボールなど)で起こる事が多いです。相手との衝突や急な方向転換などで膝を激しくひねることで起こります。
症状について
膝が外れる(抜ける)感じ、激しい痛みがあり、次第に膝が腫れてきます。膝の中に血がたまる(血腫)のが大きな特徴です。
診断について
主にMRIで診断可能です。
治療について
断裂した靭帯が自然に治癒することはありません。受傷より時間が経過すると、腫れもひき痛みは改善し歩行は可能になります。
しかし、その後の仕事やスポーツ等で支障をきたす場合は手術が必要になります。 手術は膝を曲げる腱を利用し、新たに靭帯を作り直すという靭帯再建術を行います。
通常の半月板は、上から見ると三日月のような形をしていますが、円板状半月板は円のような形をしています。日本人の20〜30人に1人の割合でいるとされ、先天性のものです。大半が膝の外側にみられ、両膝とも認めることが多いとされています。
症状について
損傷がなければ特に症状がでることはありません。通常の半月板よりも大きく、強度も弱いため、軽微な外傷で損傷が起こります。損傷が起これば通常の半月板損傷と同様の症状が出ます。小・中学生の子供の膝の痛みの原因として多くみられます。
診断について
MRIで診断します。
治療について
保存治療として痛み止めの投薬、リハビリ等を行います。症状が続くようであれば手術を検討します。 手術は内視鏡を使って、形成的切除術(半月板の縁をけずって本来の形に近づける)や損傷があれば縫合術も合わせて行います。
スポーツを行う発育期の男児に多い疾患です。膝に慢性的な負荷がかかることで発症し、特にサッカー、バスケットボール選手に多くみられます。
症状について
膝の前面、お皿(膝蓋骨)の下に隆起と圧痛が見られます。特にジャンプするという動作で痛みを感じることが多いとされています。
診断について
レントゲンにより診断します。
治療について
一時的に安静にすることが有効です。ストレッチ、投薬(痛み止め・湿布)などによりさらに症状の緩和が期待できます。この疾患は成長期のものであり、一度症状が良くなっても強い運動負荷がかかると再び痛みを繰り返すことも多いです。
肩関節疾患には、腱板断裂、肩インピンジメント症候群、変形性肩関節症、石灰性腱炎、肩関節(亜)脱臼、凍結肩、肩甲部ガングリオン、上腕骨大結節・肩甲骨関節窩骨折があります。肩は複雑な機能を持つため、様々な疾患があります。各症状にあった診断、治療を施します。
症状について
肩関節の動きに重要な役割を担っている「腱板」に断裂が生じる疾患です。肩(腕)を動かした時にある角度で痛みが生じ、引っかかる感じがする、夜間や明け方に肩痛で目が覚める、腕が重たく感じるなどの症状があります。
診断について
MRIを用いて確定診断を行います。
治療について
腱板断裂は一般的には自然治癒を期待できません。しかし、「断裂がある」=「肩が痛い」ではありません。保存治療では、湿布などの投薬、ヒアルロン酸注射、リハビリで痛みをコントロールし、日常生活において困らない状態を目指します。
手術は根治的な治療で関節鏡下にて行います。断裂した腱板をしっかり骨に縫合することができれば、完治が期待できます。しかし、完全断裂は放置すると経時的に拡大し、筋萎縮も進行すると縫合ができなくなる場合もあります。その場合、縫合不能となった欠損部に対して大腿筋膜を用いた移植術を施行しますが、回復が限定的になります。治療法は、年齢やスポーツの有無、仕事内容などの活動性、また、腱板の断裂の大きさや筋肉の状態によっても異なります。
症状について
肩関節において、組織同士の引っかかりや衝突が生じて痛みが出る疾患です。肩峰下と関節内で起こりやすく、腕の一定の角度での引っかかりや痛みが生じます。また、関節内インピンジメントでは、野球などのオーバーヘッドスポーツの投球時の痛みで自覚することが多いです。
診断について
MRIによって、腱板断裂の有無の病状を把握します。
治療について
骨頭の求心性の乱れが原因であることが多く、リハビリが重要です。肩峰下インピンジメントであれば、ヒアルロン酸注射も有効です。リハビリによって改善が得られなければ手術による治療を行います。
症状について
加齢現象の一つで肩関節の軟骨が摩耗により痛みがでる疾患です。骨折などの外傷後、反復性の肩関節脱臼の既往、腱板断裂の長期経過で生じる場合があります。肩の痛みが発生したり、肩の動きが悪くなります。
診断について
基本的には、レントゲンでの診断が可能ですが、腱板断裂の合併なども多いため、MRI検査を追加することがあります。
治療について
消炎鎮痛剤や関節内へのヒアルロン酸注射、リハビリなどの保存治療を行います。改善が見られなければ、手術を検討します。
進行期であれば鏡視下手術で痛みを軽減できる場合もありますが、末期であれば人工肩関節置換も検討します。
症状について
腱板や滑液包など肩関節周囲の組織に石灰が沈着し、肩の痛みが生じる疾患です。発作的に肩の痛みが出現し、挙上困難になったり(急性例)、肩の動作時の痛みなど慢性的な痛み(慢性例)を伴うことがあります。
診断について
レントゲンで診断が可能です。
治療について
急性例では消炎鎮痛剤の投与やステロイド注射で多くが症状改善し、石灰も吸収されます。しかし、石灰が残存する慢性例においては、拘縮予防のリハビリやヒアルロン酸注射を行います。また、対外衝撃波も選択肢になります。これらで改善が得られなければ、関節鏡で石灰を除去することもあります。
症状について
スポーツや転倒などによって肩関節がはずれる外傷性疾患です。完全に関節がはずれて、病院などで整復されたものを脱臼、はずれかけて自然に整復されたものを亜脱臼と分類していますが、基本的には同様の怪我です。はずれた関節は、ほとんど動かすことができません。非常に強い痛みを伴うため、早急な徒手整復を要します。整復後も関節の不安定が残存し、(亜)脱臼が再発することもあります。
診断について
脱臼は、レントゲンで診断が可能です。脱臼した際に関節唇、靭帯や関節包、剥離骨折、腱板の損傷を伴うことが多いため、整復後にはMRIやCTで合併病変の検査も必要です。
治療について
基本的に(亜)脱臼を繰り返すごとに、関節は、はずれやすくなります。特にコンタクトスポーツやオーバーヘッドスポーツをする若年者では再(亜)脱臼は高確率で発生します。関節の安定性を改善し、(亜)脱臼を予防するには手術が必要となります。しかし、初回脱臼の年齢やスポーツ活動の有無などによっては、再(亜)脱臼するとは限りません。当院では、手術の必要性の有無や手術内容を症例ごとに判断しています。
肩関節周囲炎、いわゆる四十肩・五十肩と呼ばれ、30〜60歳代で発症し、肩の痛みから始まり、肩の動きが悪くなる疾患です。
下記のような比較的特徴的な病期をたどります。
疼痛期
肩の痛み(安静時や夜間、明け方にも痛み)
拘縮期
痛みは軽減しますが、可動域が低下(特に手が後ろに回らないなど)
回復期
徐々に可動域が回復
診断について
レントゲンやMRIを用いて、異常がないことで診断をします。
治療について
自然に回復することもありますが、慢性化することも多い疾患です。症状が悪化すると治療時期も長期化し、また、病期により治療法も異なるため、適切なアドバイスのもとでの治療を行う必要があります。疼痛期には注射や投薬によって、疼痛を緩和します。
過度なリハビリはさらなる悪化の原因にもなります。また、五十肩と自己判断し、手術が必要な腱板断裂を放置している症例も数多くみられますので、数ヵ月継続する肩の痛みは相談してください。
症状について
手の腫瘤としてよくみられるガングリオンは、肩関節周囲にも発生します。肩甲骨関節窩、特に後上方に発生し、大きくなると肩甲上神経を圧迫します。圧迫された神経の機能が低下すると棘上筋・棘下筋の麻痺が起こります。肩のだるさ・肩の筋力の低下(外転、外旋筋力)などが発生します。
診断について
MRIでの診断が必要です。
治療について
筋力が低下している場合は、基本的に関節鏡で手術を行います。関節窩周囲の関節唇という組織が損傷して発生していることがほとんどで、その部分を修復することで再発することなく治癒します。
症状について
転倒などによって、肩の打撲で起こる骨折で、肩痛、可動域制限などが起こります。
診断について
レントゲンで診断可能ですが、合併病変の検査には、CTやMRIも使用します。
治療について
転位(骨折のズレ)がなければ保存治療を行いますが、一定以上の転位があれば手術が必要です。この場合においても、関節鏡で多くの症例に対応可能です。また転位したまま変形治癒してしまった場合も関節鏡での手術を行っています。
股関節疾患には変形性股関節症・特発性大腿骨頭壊死・大腿骨近位部骨折・股関節周囲炎・股関節インピンジメント症候群・筋腱付着部症などがあります。それぞれ疾患によって、診断方法や治療方法は異なります。
症状について
股関節の軟骨がすり減り、骨や関節の変形を起こしてしまう疾患で、成人で最も多い股関節の疾患です。日本では、臼蓋形成不全に続発することが多く、壮年期から高齢女性に多く見られます。歩行時や階段昇降で股関節や大腿が痛む、安静時や寝ているときに股関節が痛む、股関節を伸ばしにくい、あぐらがかけないといった可動域制限が認められます。
診断について
レントゲンで診断が可能です。
治療について
病状に応じてリハビリ、薬物療法などの保存療法、または人工関節置換術などの手術を行います。
症状について
大腿骨の上端で股関節とつながっている大腿骨頭が壊死してしまう疾患です。国の特定疾患に指定されており、大半は原因不明とされていますが、ステロイド剤を多く使用していたり、アルコール摂取の多い方によくみられる傾向があります。急に発生する股関節痛が多いですが、腰痛、殿部痛、膝痛として自覚されることもあります。
診断について
レントゲン、MRIを用いて、診断と病期の判定を行います。
治療について
症状、病期によって保存療法(患部の安静、免荷、鎮痛剤の投与)や手術(関節温存手術や人工関節置換術)を行います。
症状について
骨粗鬆症を持つ高齢者に起こりやすい太もものつけねの骨折です。転倒によって歩行困難、痛くて股関節を動かせないといった症状があります。
診断について
多くの場合、レントゲンで骨折の診断を行います。
治療について
骨接合術、人工骨頭置換術などの手術が第一選択肢となります。
症状について
股関節周囲の軟部組織の炎症、骨に付着する腱組織や関節唇の損傷、関節の形態異常などによって日常生活の動作や運動時の痛みなどを生じる疾患です。歩行時痛、股関節を深く曲げられない、スポーツに伴う股関節周囲の痛みといった症状があります。
診断について
理学所見、レントゲン、MRI検査によって診断が可能です。
治療について
保存治療(リハビリ)が第一選択肢となります。保存療法抵抗例では、関節鏡などの手術を必要とする場合があります。
手関節・肘関節疾患には、ばね指・ドケルバン病・母指CM関節症・へバーデン結節・橈骨遠位端骨折・TFCC損傷・手根管症候群・肘部管症候群・上腕骨外側上顆炎(テニス肘)などがあります。
症状について
指の屈筋腱を押さえている腱鞘の部分で炎症が起こり、腱鞘炎となり、指の引っ掛かりが生じる疾患です。指の引っ掛かりが生じる、指の付け根に痛み、腫れが生じるなどの症状があります。朝方に症状が強いことが多いのも特徴です。
診断について
指の付け根に腫脹や圧痛があり、ばね現象を認めれば確定診断となります。
治療について
保存治療では、局所の安静や腱鞘内ステロイド注射を行います。保存治療で改善が見られない場合や再発を繰り返す場合は、腱鞘を開く手術を行います。手術は、入院が必要ない局所麻酔による小さな傷で行うことが可能です。
症状について
手関節の母指側にある腱鞘(手背第一コンパートメント)の部分に生じる腱鞘炎です。手関節の母指側に痛み、腫れが生じる症状があります。母指を動かすと強い疼痛が出現します。
診断について
手背第一コンパートメントに腫脹や圧痛があり、母指を内側に握った状態で、手関節を小指側に曲げると痛みが増強する(フィンケルシュタインテスト変法)ことで診断します。
治療について
保存治療では、局所の安静や腱鞘内ステロイド注射を行います。保存治療で改善しない場合や再発を繰り返す場合は、腱鞘を開く手術(腱鞘切開)を行います。
症状について
母指の付け根にあるCM関節(第1手根中手骨関節)の関節軟骨がすり減り、関節が変形する疾患です。母指に力を入れると母指の付け根のCM関節に痛みが生じ、母指が開きにくくなる症状があります。
診断について
母指の付け根のCM関節に腫脹、圧痛があり、レントゲン検査でCM関節の隙間が狭く、骨の出っ張りや亜脱臼を認めることで診断をします。
治療について
湿布などの投薬やCM関節保護用の装具による固定、関節注射などの保存治療を行います。疼痛が強く、亜脱臼を伴う高度な関節の変形などが見られる場合には、関節固定術や関節形成術などの手術が必要です。
症状について
指の第1関節(DIP関節)が変形し、曲がってしまう疾患です。指のDIP関節に腫脹、変形、痛みが生じる、DIP関節の動きが悪くなる、DIP関節の近くに水ぶくれのような腫瘤(粘液水腫)ができることがある、などの症状があります。
診断について
DIP関節の変形、疼痛があり、レントゲンで関節の隙間が狭くなったり、骨棘を認めることで診断を確定します。
治療について
保存治療では、局所の安静やテーピング、湿布などの投薬を行います。保存療法で痛みが改善しない場合や変形がひどく日常生活に支障をきたす場合は、関節固定術などの手術を検討します。
症状について
転倒などによって前腕の2本の骨のうちの橈骨が手関節のところ(遠位端)で折れる骨折を指します。手関節に強い痛みと腫脹が生じます。手関節が変形しフォークのような変形が見られることがあり、症状によっては指の痺れが生じることもあります。
診断について
レントゲンで橈骨遠位端の骨折を確認します。
治療について
転位の少ない骨折の場合や骨折部が安定している場合は、骨片を元に戻す徒手整復操作を行って、4週程度のギプス固定を行います。
転位が大きく、整復操作で整復できない場合や整復されてもすぐにずれてきてしまう場合は、手術による治療を行います。
手術は、ネジとプレートが噛み合うロッキングプレートによるプレート固定が主流となっています。
症状について
手関節尺側(小指側)にあり、手関節尺側を安定させ、クッションの役割を果たしているTFCC(三角線維軟骨複合体)が損傷することで生じる疾患です。手関節を小指側に曲げた時に手関節尺側(小指側)に痛みが生じます。通常であれば、安静時に痛みはなく、ドアノブをひねる、鍋などを持ち上げる動作などで痛みが出ます。
診断について
手関節尺側部の圧痛を確認し、手関節を尺屈(小指側に屈曲)した状態で、前腕を回内外すると痛みが誘発されるかどうか(コンプレッションテスト)を見ます。レントゲン検査では、尺骨突き上げ症候群(尺骨が橈骨よりも長いこと)の有無を確認し、 MRIでTFCC損傷の確定診断をします。
治療について
保存治療では、サポーターによる局所安静と消炎鎮痛剤、外用剤などの薬物療法、局所麻酔薬とステロイドの関節注射などを行います。保存治療で改善が得られない場合は、靭帯修復術や尺骨短縮術などの手術を検討します。
症状について
手関節にある手根管という管内で正中神経が圧迫されることで生じる疾患です。母指、示指、中指と薬指の母指側にしびれ、痛みが生じます。痺れ、痛みは明け方に強く、症状が進行すると母指の付け根の筋肉(母指球筋)が痩せてボタン掛けや小銭のつまみなどが困難となる場合があります。
診断について
手根管部を叩くと指先にしびれ、痛みが響くかどうか(ティネル様サイン)、手関節を直角に曲げて1分以内に痺れ、痛みが悪化するかどうか(ファレンテスト)を確認します。補助的検査として、神経機能を調べる正中神経の伝導速度検査を行い、診断を確定します。
治療について
保存療法では、消炎鎮痛剤やビタミンB12などの投薬や局所の安静のための手関節装具、手根管内へのステロイド注射などを行います。保存治療で改善しない場合や母指球筋が進行性に痩せてくる場合は手術が必要となります。手術には、手根管部を切開する手根管開放術があります。
症状について
肘の内側で尺骨神経が慢性的に圧迫されたり牽引されたりすることで生じる疾患です。小指と薬指の小指側に痺れが生じ、進行すると指の間の筋肉が痩せてきたり、小指と薬指の変形が起きるなどの症状があります。
診断について
肘の内側を軽く叩くと小指と薬指に痺れが走るかどうか(ティネル様サイン)を診ます。レントゲンでは、関節の隙間が狭くなったり、骨棘などの関節症性変化を認める例が多くあります。補助的検査として、神経機能を調べる尺骨神経の伝導速度検査も行います。
治療について
保存治療では、肘を安静にし、消炎鎮痛剤やビタミンB12などの投薬をします。保存治療で症状が改善しない場合や指の間の筋肉が痩せている場合は、尺骨神経を圧迫している靭帯の切離と神経の前方への移動を行う手術を行います。
症状について
手関節を伸展する短橈側手根伸筋の起始部が肘外側で障害されて生じる疾患で、中年以降のテニス愛好家に多いためテニス肘とも呼ばれています。物を掴んで持ち上げる動作やタオルを絞る動作などで、肘の外側から前腕に痛みが生じ、安静時には痛みがない場合が多いのが特徴です。
診断について
トムセンテスト:肘を伸ばした状態で手関節を伸ばす動作に抵抗を加える検査
チェアテスト:肘を伸ばしたまま手で椅子を持ち上げる動作を行う検査
中指伸展テスト:肘を伸ばした状態で中指を伸ばす動作に抵抗を加える検査
上記のいずれかのテストで肘外側から前腕に痛みが誘発されたら、上腕骨外側上顆炎の診断となります。
治療について
手関節を伸ばす動作を控える、湿布などの薬物療法、手関節のストレッチ、テニス肘用バンドの装着、肘外側への局所麻酔薬、ステロイド注射などの保存治療を行います。多くの場合は、保存治療で改善しますが、保存治療で改善が見られない場合は、手術を行います。
症状について
加齢や肘への過度な負荷によって、関節軟骨が摩耗し、疼痛や可動域障害を呈する疾患です。投球障害や筋トレなどによって生じることもあります。肘関節の屈曲障害が生じることで、日常生活に支障をきたす場合もあります。
診断について
レントゲン検査で診断可能です。CTやMRIを用いて遊離体(関節ネズミ)や滑膜炎、軟骨の状態を評価する場合もあります。
治療について
消炎鎮痛剤や関節内注射、リハビリなどの保存治療を行います。十分な効果が得られなければ、手術を検討します。
骨粗鬆症とは骨の量(骨量)が減って弱くなり、骨折しやすくなる疾患です。わずかな外力でも背骨、手首、下肢などが骨折してしまいます。普段からカルシウムやビタミンを中心とした食事で予防することが重要です。
症状について
骨粗鬆症とは骨の強度が低下し、骨折しやすくなる疾患です。骨粗鬆症になると、わずかな外力(自宅内での転倒など)で背骨、手首、下肢などの骨折を起こします。特に女性に多く、60代女性の3人に1人、70代女性の2人に1人が骨粗鬆症と言われています。
骨量(骨密度)を維持するエストロゲンというホルモンが閉経や加齢に伴い減少してしまうことが原因の一つです。骨粗鬆症による骨折は、要介護となる主要な原因の一つであり、一度骨折を起こすと連鎖することが多い病気です。推定1200万人以上の患者が国内にいるとされていますが、治療を受けている方はわずか1/6程度しかいません。骨折を起こすまで自覚症状がないため、検査を受けたことがない方が多いのが現状です。骨折を起こす前に骨粗鬆症検診を受診し、早期から骨粗鬆症の治療や予防を心がけることが非常に重要です。
診断について
骨量を測定する骨密度検査、骨の代謝の状態を把握する血液検査によって骨粗鬆症の診断や治療の効果の確認を行います。
治療について
骨粗鬆症治療の目的は骨折を予防することです。骨折を予防することで、日常生活の動作機能を維持し、自立した生活を長く続けられるよう健康寿命を伸ばします。骨粗鬆症の治療をしっかりと行うことで、骨折を予防できる可能性は高まります。すでに骨折がある方も次の骨折を防ぎ、骨折の連鎖を食い止めることが重要です。カルシウムやビタミンを中心とした食事、日光浴や骨への適度な負荷、転倒を防止するための筋力や柔軟性を付ける運動療法、骨量を増加させるための薬物療法が治療の中心となります。
ねんざや打撲などの外から強い力がかかることによって生じる外傷や、関節痛や疲労骨折など身体を使いすぎて起こる障害など、スポーツによって起こる怪我を総じてスポーツ傷害といいます。治療のためにスポーツを休みたくないなどの理由から痛みを我慢し、結果として症状を悪化させてしまうケースがよくあります。
症状について
腰部痛、殿部痛を自覚し、背中をそらすと痛みが増強する特徴があります。13〜14歳の発育期の男児に発症が多く見られます。腰部に対する繰り返しの動作(スポーツ)によるストレスで起こる関節突起間部の疲労骨折であり、発育期のオーバートレーニングによって起こる場合が多いです。また、10歳未満の発症、両側(左右)分離症の場合は、将来的に腰椎すべり症に移行しやすいので非常に注意が必要です。
診断について
終末期では、腰椎の斜位レントゲン撮影で、いわゆる『テリアの首輪(犬の首のところに骨折線が見える像)』所見が典型的です。発症早期には、レントゲンで明らかな所見が得られないことがほとんどですが、CT撮影を行うと詳細な診断ができます。初期の症例の確定診断、もしくは進行期以降の予後を推定するためにはMRI撮影が有用です。
治療について
コルセットによる装具療法、運動療法による保存療法が第一の選択です。体幹に負担のかかる活動は3~6か月間休止します。疼痛に対しては、温熱・電気療法などの物理療法、消炎鎮痛剤の投与を用います。一定の安静期間後に疼痛が軽減した場合は、体幹のストレッチング、腹筋・背筋訓練など基本的な運動療法から開始します。分離部の動揺性が強い場合は、骨移植による、脊椎固定術などを行うことがあります。
野球肘には内側型と外側型があり、症状も異なります。外側型は、重症になる可能性があります。自覚症状がない場合もありますが、早期発見・早期治療が大切です。
症状について
内側型では、明らかな肘内側の圧痛、腫張、投球時の肘痛、肘の可動域制限、小指側のしびれ感が出現します。
・上腕骨内側上顆障害(リトルリーグ肘)
子供に起こる障害で、肘内側上顆の成長軟骨に障害が起きます。徐々に肘の痛みが出て、徐々に痛みが収まりにくくなります。
子供に起きる野球肘は、ほとんどがこの障害です。
・内側側副靭帯損傷
通常、高校生以上で起こります。投球時の「牽引力」により内側の靭帯が引っ張られて損傷します。疲労が溜まって徐々に傷んでくる場合と急に断裂する場合の2種類があります。
診断について
内側型に対しては、肘内側上顆の剥離骨折の合併を診断するため、レントゲン検査を行います。その他に、靭帯損傷の評価のために、エコー検査やMRI検査を行います。
治療について
肘内側上顆障害では、多くは1〜2か月の投球中止により、ほぼ回復します。体が固い、フォームが悪いなどの問題があると再発しやすいため、リハビリで再発を防止します。内側靭帯損傷では、痛みが軽減せず、不安定性が残る場合、靭帯再建術などの手術を行います。
症状について
・離断性骨軟骨炎(上腕骨小頭障害)
野球肘で最も重症になる障害の一つです。外側型では肘外側の疼痛に加え、ロッキング症状を呈することがあります。症状が悪化すると関節軟骨の一部がはがれて関節ネズミとなったり、変形が起こって肘の動きが悪くなったりします。10歳前後で発症することが多いのですが、初期には自覚症状がないことも多いです。
診断について
骨軟骨片が分離、遊離してくる末期では、レントゲンでも異常所見が出ますが、初期には通常のレントゲンは見落とされることがあり、特殊な方向からのレントゲン撮影やエコー検査が必要です。さらに、CTやMRI検査で病変部の大きさや骨片状態の確認を行います。
治療について
初期では投球禁止により病巣が修復し、完全に治ることもあります。進行したケースでは手術が必要になります。ただし、手術をしても肘の動きの制限や変形が残ってしまうこともあるため、早期診断、早期治療が重要です。小さな力が繰り返し肘に加わって障害が起きるという病態であるため、予防、治療のためには投球数の制限、リハビリを行い、投球フォームの改善や体の柔軟性を上げることが大切です。体幹や下肢、特に股関節の柔軟性を上げることが、肘の負担を減らすことにつながり、障害発生の予防になります。
テニス肘は、手首をそらす筋肉の付着部が炎症を起こすことで発症します。青壮年期に好発し、利き手側の発生頻度が高いのが特徴です。
テニスに限らず、同じ部分を反復して動かす動作があるスポーツでは、同様な症状が起こります。
症状について
テニスのバックハンドのストロークでは、手首をそらす筋肉が働き、その付着部が上腕骨外側上顆です。その動きを繰り返すストレスで、付着部に炎症が起こり、肘の外側に激痛が起こります。テニスに限らず、短橈側手根伸筋を酷使すると発生します。この伸筋腱は手首(手関節)を伸ばす働きがあるので、物を掴んで持ち上げたりタオルを絞ったりする時などに肘の外側が痛くなります。
診断について
患者さんの手に抵抗をかけてそらすように指示すると、肘の外側に激痛が生じますので、診断は比較的容易です。タオルがしぼれない、ほうきや掃除機が使えないなどもよく見られる症状です。
治療について
治療には、手関節の安静が一番大切で、痛みが発生する動作を避けることが基本になります。治療としては、消炎鎮痛剤の服用や湿布などの外用剤も有効です。それでも効果がなければ、ステロイドの局所注射を行います。装具としてはエルボーバンドを肘の少し先に装着すると効果があります。難治症例には体外衝撃波治療が有効です。
ジャンパー膝・オスグッド病は膝を使いすぎることが原因で発症します。バレーボール選手やバスケットボール選手などのジャンプを多用する競技者によく起こるため、ジャンパー膝と呼ばれています。
症状について
膝蓋腱の炎症によって痛みが起こる疾患です。スポーツでの膝の使いすぎが原因で起こることがほとんどで、バレーボール選手やバスケットボール選手に多いことから、ジャンパー膝と名前が付けられています。オスグッド病は、10〜16歳のジャンプ動作の多いスポーツをする男子に多い病気で、脛骨結節に変形や痛みを生じます。大腿四頭筋の柔軟性が低下していることが要因の1つに挙げられます。成長期の長身選手は、骨の成長に筋肉の成長が追いつかず、結果的に筋肉が硬い状態を招き、その負担が末梢の膝蓋骨周辺に蓄積するために起こる慢性障害です。
診断について
レントゲン、MRIが有用です。レントゲンは、脛骨粗面に限局した骨端核の変化や遊離骨片を認めます。MRIは、骨軟骨を覆う膝蓋腱の肥厚や周囲の炎症性変化が確認できます。
治療について
使いすぎによる障害の時は、基本的に休息が治療の原則になります。湿布などを使用しつつ、上手にスポーツなどをペースダウンする工夫をしましょう。ストレッチ、筋トレを含めた運動療法や超音波、低周波などの物理療法なども効果的です。
予防には大腿四頭筋のストレッチングが最も重要で、オスグッド用の膝サポーターも有効です。 痛みが強いときはステロイドの局所注射を行う場合もあります。
腸脛靭帯炎は、主に過剰なランニングなどのオーバーワークで起こります。膝の屈伸運動を多用するスポーツ選手に多く発生し、特にランナーに多いのが特徴です。O脚の人がなりやすい傾向にあります。
症状について
膝の屈伸動作の多いスポーツ選手、特にランナーに多く、膝外側の大腿骨外顆と腸脛靭帯が摩擦により痛みが生じます。基本的に膝の使い過ぎが原因で、O脚の人でなりやすい傾向にあります。 過剰なランニング時間と距離、柔軟性不足、ウォームアップ不足、休養不足、硬い路面や下り坂、硬いシューズ、内反膝など、様々な要因で発生します。
診断について
レントゲンやMRIを用いても発見しにくく、発見が困難な症状です。膝を90度に曲げて外顆部で腸脛靱帯を押さえてから膝を伸ばし、疼痛を誘発する方法で診断します。
治療について
オーバーユースが原因であるため、保存療法が原則です。第一に局所の安静、ランナーであれば、ランニングの休止が重要です。
次に、アイシングを徹底し、大腿筋膜張筋など股関節外側部を主としたストレッチ・筋トレを含めた運動療法、超音波などの物理療法を行います。一度、症状が出現すると、簡単には消失しないので発症初期の決断、適切な休養期間が大切です。
肉離れ・筋挫傷は急激に筋肉が収縮した際に起こる筋肉の損傷で発症します。スポーツの際に起こることが多く、ダッシュなどによって筋肉が急激に伸ばされようとした際にそのストレスに耐えられなくなり発症します。
症状について
急激に筋肉が収縮した結果、筋膜や筋線維が損傷することで生じます。特に、筋肉が縮もうとしている時に逆に引き延ばすと、肉離れが起きやすくなります。スポーツによるものが多く、ダッシュをする際、ふくらはぎや太ももの裏の筋肉が伸ばされる方向に力が働いた時、筋肉がこの負荷に耐えられなくなると肉離れを起こします。
診断について
問診、触診などの所見で診断は容易ですが、腫脹、硬結が強い場合、筋挫傷や血腫の程度を把握するために、MRI検査を行います。
治療について
主に保存治療を行います。痛みの強い場合はシーネなどの外固定や患肢を松葉杖で非荷重にして安静を保つようにし、消炎鎮痛剤の投与を行います。 疼痛が軽減したら徐々に日常生活動作を許可します。硬結部周囲の違和感に対しては、超音波治療も有効です。運動時の痛みが治まったら、再発予防を目的としたリハビリが必要で、断裂部やその周辺の関節の可動域、筋肉の柔軟性獲得と維持のためのストレッチングや、軽い筋力トレーニングを行います。
有痛性外脛骨は、スポーツなどの過度な運動によって発症します。スポーツ活動性が高くなる思春期に発症することが多い症状です。
症状について
外脛骨とは足関節の内くるぶしの前下方にある舟状骨の内側に発生する種子骨で、捻挫やスポーツによる使い過ぎ、シューズによる圧迫などが契機となり症状が出現することがあります。この外脛骨に痛みを生じた場合に有痛性外脛骨と言います。スポーツ活動性が高くなる思春期に多いのが特徴です。土踏まず内側部の痛みと腫れで、歩行時やスポーツ活動で増悪し、同部位に圧痛を認めます。
診断について
レントゲンで診断がつきます。
治療について
過度な運動を禁止し、局所の安静を保つようにします。痛みに応じて外用剤や消炎鎮痛剤の投与を行ったり、温熱療法や足部のストレッチ、筋力強化訓練などのリハビリで経過を観察します。インソールなどの足底板を作成し痛みの軽減を図るのも有効です。
シンスプリントとは、運動時や運動後に下腿の内側に痛みが起こることを指します。走ることが多いスポーツを行っている人に多く発症し、慢性的な痛みがあります。普段から筋力の向上、インソールなどの装具の使用が重要です。
症状について
走ることが多いスポーツを行っている人に多く、運動時や運動後に下腿の内側に慢性的な痛みが起こるものを”シンスプリント”と呼びます。時間が経つと非常に治りが悪くなり、早期の治療が重要です。 練習量が多い、扁平足や靴の踵の内側がすぐにすり減る人(回内足)、筋力のバランス、筋持久力、柔軟性などが低下している人はシンスプリントになりやすいと言われています。
診断について
疲労骨折との鑑別のためにX線、MRI検査を行います。
治療について
痛みの軽いときは、ストレッチ、ウォーミングアップの強化、運動後のアイシングで経過を観察します。下腿内側に強い圧痛があったり、運動時に強い痛みがあれば、運動も制限しなければなりません。筋肉の萎縮を取り除くために、運動療法や温熱療法を併用し、指や足関節を中心に全身の筋肉のストレッチを行います。ある程度痛みがなくなってくれば、足部を中心に筋力アップを行います。扁平足や回内足がある人は、歩行時やジョギング開始時に足底板、インソールなどの装具を使用すると再発の防止に繋がります。
アキレス腱周囲炎、足底腱膜炎は、走ることを繰り返すことで起こる障害です。マラソンなどの長距離を走る際に多く見られます。普段からストレッチなどを行い、筋肉や腱の柔軟性を保つことが重要です。
症状について
アキレス腱周囲炎、足底腱膜炎は、マラソンなどの競技者に多く見られ、ランニング動作の繰り返しによって起こる障害です。アキレス腱の周りの炎症をアキレス腱周囲炎といい、足底部のオーバーユースを原因として発症するものを足底腱膜炎といいます。
ランニングやジャンプ動作などで体重による刺激が足部にかかる場合、アキレス腱、足底腱膜は繰り返しの牽引刺激によって腱が変性し、微小断裂や炎症が発生しやすくなります。特に起床時や練習開始時に痛みが出やすい傾向にあります。
診断について
レントゲンやエコー検査、MRI検査などの画像検査で、患部周辺の炎症を確認します。
治療について
急性期には消炎鎮痛剤を使用し、運動後のクーリングや普段からストレッチを十分に行い、筋肉や腱の柔軟性を保つことが重要です。難治症例には体外衝撃波治療も有効です。
関節リウマチ(RA)とは、免疫の異常によって、関節に炎症が起こり、関節の痛みや腫れが生じる疾患です。進行すると、関節の変形や機能障害が起こります。
症状について
関節リウマチ(RA)は、自己免疫異常が原因とされる全身性の慢性炎症性疾患であり、日本でのリウマチの罹病率は0.6~1%とされ、60~100万人の患者がいると推定されています。男女比は1:4と女性の割合が高く、40代が発症のピークで、50代、30代と続きますが、近年の寿命延長に伴い、高齢発症の割合が増加している疾患です。リウマチの症状は、多彩で、特徴的な朝のこわばりや多関節炎の他にも、発熱、間質性肺炎などの臓器症状を呈することがあります。発病には遺伝的要因と環境的要因が複雑に関係し合って発症するとされ、環境的要因の中でも喫煙はリウマチの発症リスクを高めるとされています。
診断について
診断は血液検査、身体所見、画像所見を組み合わせて行います。典型例では血液検査で自己抗体が陽性となり、レントゲンで骨びらんと言われる特徴的なサインが検出されますが、早期では非典型的な症例も多く、エコー検査での関節滑膜の血流の増加やMRIでの骨髄浮腫が診断の補助となります。
治療について
現在は、早期に積極的な薬物療法を行うことが主流となっています。従来は、薬で炎症や痛みを和らげたり、悪くなった部位を手術で取り除いたりする治療が主でありましたが、近年ではメトトレキサート(低用量抗ガン剤)による治療法の確立や、生物学的製剤の出現により、リウマチの病気の進行を食い止め、関節破壊を防ぎ、患者さんの生活の質を向上することが可能となっています。薬物療法、手術、リハビリをうまく組み合わせることで、患者さんの日常生活の質の向上を図ります。